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土地探しをするときに知っておいてほしいこと〈旭川版〉

2017.12.09

開本 義治(ひらきもと よしはる)

旭川支店 開本 義治(ひらきもと よしはる)


「来年こそは家を建てたいな」とお考えの方で、これから土地を探される人も多いと思います。今回のブログは、そのポイントを設計者の目線でお話ししたいと思います。

物件探しの具体的な方法として、Webサイト「IRI旭川不動産情報」があります。ご存知の方も多いと思いますが、物件数も豊富でおススメです。

土地選びの順序として、まず始めにエリアから考えますよね。学校の校区内とか実家の近くとかの要因が多いと思います。そして、価格、仲介手数料の有無、坪数、陽当り(方位)、間口、奥行、前面道路の幅員、交通機関や公共施設のアクセス等で絞り込むと思います。この他にも、地盤の良し悪し、敷地の高低差、聞き慣れないかもしれませんが地区計画区域などの項目もあります。


~土地選びに大きく影響する雪の問題とは?~

ここで読者の皆さんに質問です。理想の建物をイメージされたとき、どんな外観が思い浮かびますか?先日、あるイベントで子供たちに「みらいのおうちコンテスト」と称して自由に絵を描いてもらったのですが・・・予想通り三角屋根(建築用語では切妻)が多い結果になりました。皆さんはどうでしょうか?

この切妻屋根ですが、屋根材や構造によって大きく分けると、雪を落とすタイプと、雪を乗せたまま落とさないタイプがあります。前者の場合、軒先から隣地まで4m程度の離れを取らないと、隣の敷地に雪が飛んで行ってしまう可能性があります。

旭川市内に多い土地形状は、奥行は20m以上あるけれど、間口(敷地が道路と接する長さ)が、10.91m(6間)の物件が多いのです。そこに建築した場合、道路から見て、左右に雪は落とせませんので、前後に落とす屋根型になります。ここで問題になってくるのが玄関の位置です。玄関前に雪を落としたくないので、玄関ポーチに小屋根をかけます。雪割りとも言います。滑り落ちてくる雪を玄関の左右に振り分けて落とすので、正面から見て建物の中央に玄関を配置することになります。間取りを考えるとき、北側に道路がある場合(北入りプラン)は問題ないのですが、南側に道路がある場合(南入りプラン)は頭を悩ませます。なぜならば居間続きの和室や洋室を希望される場合、建物の中央に玄関があるとプランが成り立たないからです。ただでさえ、南入りプランは日当たりの良い南側を玄関に取られてしまうので、陽当りのことを考えて南向きの土地を選ぶことが、かえって理想の間取りから遠ざけてしまうのです。この場合、屋根型を無落雪にするか、北向きの敷地を選ぶことが良いでしょう。


〈 写真は北入りプラン例〉

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毎日の除雪のことも考えなくてはなりません。玄関先から道路まで、なるべく距離が短い方が除雪は楽ですよね。南入りプラン、特に無落雪屋根で計画した場合は敷地の奥の方に建物を配置することがあります。庭が広く取れて、畑で家庭菜園、車も楽々4台駐車できる。夢のようですよね。しかし、それが冬には除雪に苦しむことになります。玄関先から道路まで10m以上ある場合は重労働です。そのようなときは2台用のカーポートを設置することをお勧めします。北入りプランの場合、南側の庭を広く取る関係上、道路までの距離は短くて済みます。(ただ、北入りの玄関はタイルが凍り付きやすいデメリットもあります。)

今年は例年よりも寒く感じます。冬の間こそ、土地探しの大事な部分が隠れているように思えます。土地は雪に埋もれて見えなくなりますが、色々な建物を外から眺めて冬の暮らしも参考にしていただきたいと思います。

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この記事を書いた人

開本 義治(ひらきもと よしはる)

開本 義治(ひらきもと よしはる)

住宅事業部旭川支店・道央支店。経験年数34年以上(東京都で12年間、北海道で22年間)。二級建築士。
ツーバイフォー工法の設計を専門としており、実際に施工された担当物件は450棟以上。狭小住宅、平屋、3階建、2世帯住宅、アパートなど幅広いご要望に対応した空間づくりをお手伝いさせていただきます。

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